随分遅くなってしまいましたが、
9月6日の赤坂B flat、10月23日大阪ザ・シンフォニーホールへお越しくださった皆様どうもありがとうございました。
赤坂では弦楽カルテットに木管5重奏を迎えた編成、大阪ではオーケストラとの共演。
お題目はCharlie Parker Tributeということで、彼に縁のある曲を演奏させていただきました。

オーケストラとの共演はジャズミュージシャンの私にとっては夢のような機会です。
素晴らしい企画をしてくださったQAZZレーベルの石田さんには深く感謝をしております。

Charlie Parkerのトリビュート。
勿論パーカーは私たちが深く尊敬する偉大な音楽家ではあるけれども、果たして私に何ができるのか?
パーカーの音楽を再度研究するために、先輩ミュージシャンからCONNというパーカーの使用していたメーカーの楽器をお借りしました。
彼が使っていたロンドンセルマー、トナリンというマウスピースもお借りできました。
最初はあくまで研究のために、彼の演奏を再度聴き直し、練習を重ねていましたが、
本番が近づくにつれ、私はどこか、「どれだけ私はパーカーを知っているか」を演奏で証明しようとしていたと思います。パーカーをどれだけ再現できるかを人から期待されていると感じていました。

それはどこか間違っているとも薄々感じてはいましたが、
その後私を別の道へ明かに導いてくれたのはニューヨークでお会いしたAntonio Hartの言葉でした。
Who are you?
あなたが誰であるかを大切にしなさい。あなたが何に感動し涙するのか。
あなたがあなたであることに自信を持ちなさい。答えは全てすでに自分自身の中にある。

私はパーカーを知っていることの証明ではなく、自分の言葉を喋らなくてはいけないと確信を持ってからは、「私」と「サックス」を一致させる作業に努めました。
勿論これはすぐにできることではなくまだ未完成だけれども、
私が私でいること、私は何者なのか探り続けること、それを表現することについて、やっと正面から見始めたのだと思います。
私は自分を証明する必要も、気を衒う必要もないけれど、
私がサックスを吹く意味は、私自身が吹いているというところにあるのだと感じます。

本番では美しいオーケストラの演奏に幾度も心を動かされました。
心が洗われ新鮮な気持ちで、感動しながらサックスを吹いていました。
それは本当に幸福な時間だったと思います。
素晴らしい編曲をしてくださった杉山さん、演奏をご一緒してくださった方々に感謝をしています。

このwith stringsの企画はまだ続きそうです。
私は私で、悲しみや喜び、様々な感情が、信条が、決意が、音になり音楽になるように努めていきたいと思います。